あこや貝の閉殻(へいかく)力測定

志摩市の県水産研究所は、真珠養殖で使うアコヤガイの自ら貝殻を閉める力(閉殻(へいかく)力)を、荷重計で測ることで優良な貝を選別する方法を開発し、特許を取得したと発表した。閉殻力が強いほど、死ぬ率が低く、良質の真珠を作る傾向にあることに着目し、同研究所は「近い将来、真珠養殖の現場で普及させ、生産性の向上を図りたい」と話している。(中村和男)

 養殖真珠の品質を高めるには、優良なアコヤガイを用いることが重要だが、貝の健康状態は外観だけで判別することが難しい。そのため、同研究所は三重大大学院生物資源学研究科県産業支援センターと共同で、閉殻力を測定することで効率的に養殖できる方法を探った。

 アコヤガイは夏場の高水温の時期に死ぬことが多いため、実験は夏季に1か月間実施した。閉じた貝殻を1センチこじ開ける力を約30秒間測定した結果、貝が死ぬ率は、1重量キロの閉殻力では80%だが、3重量キロでは21%、5重量キロでは4%と下がった。閉殻力の強弱は遺伝することが明らかになっており、閉殻力が弱い貝を育てるのをやめることで効率化が図れるほか、親貝の選抜手法としても有効としている。

 また、5、6月に真珠の核入れ手術を行う際は、同様に測定し、2~4重量キロの場合が、シミや傷の少ない高品質の真珠ができることも分かった。閉殻力が強過ぎると貝が破損するため、従来から核入れ前に貝の機能を低下させ、閉殻力を弱くするようにしてきたが、具体的な数値を使えるようになった。
(2011年9月29日 読売新聞)