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真珠の加工処理について

真珠の加工処理には、大きく分けて2種類の処理が有る。
まずは、【エンハンスメント】と呼ばれる真珠本来の美しさを引き出す為の加工処理。
エンハンスメントとは、国際貴金属宝飾品連盟 CIBJO(World Jewellery Confederation)が定めた加工で、
主なものにルビーとサファイヤの熱処理があります。

一般の方が理解し易い例でブルーサファイアを参考にしますと、大前提として産地によって産出される原石に違いが有りますが、ほとんどの原石が明るくて濃い透明なブルーで出現することは無く、グレー味を帯びて濁ったものやグリーン味を帯びた暗いものが大部分です。
これらをそのままカットしても魅力的な宝石にはなり得ません。
それでこの手の石を加熱処理することにより、濁りを取り透明な濃いブルーにしたり、グリーン味を抜きブルーだけに変えたりします。
この熱処理がCIBJOによりエンハンスメントと認められております。

さて、それでは真珠のエンハンスメントとして、どのような処理があるのか?
国際貴金属宝飾品連盟 CIBJOで認められた真珠エンハンスメントに「漂白」と「調色」があります。

「漂白」とは、主に過酸化水素水(H2O2)を使用し核と真珠層の間等に存在する、異常沈着のタンパク質、メラニンと称する焦げ茶色の有機物等を除去する行為です。
過酸化水素水はコンタクトレンズの洗浄剤や食品の数の子の洗浄にも使用されているごく一般的な漂白処理剤です。
数の子の生産で例を示しますと過酸化水素水に72時間浸けて茶色の数の子や血合いの付いて黒ずんだモノを漂白調色します。
真珠の場合は真珠貝の生殖器の中に核を挿入し真珠層を形成させるのですが、その際に核と真珠層の間等に存在する、不純物(異常沈着のタンパク質、メラニンと称する焦げ茶色の有機物等)を除去に使用します。
浸ける時間や濃度は各業者それぞれに特徴があり標準化はありませんが、真珠は不純物を取り除く事に、より高い干渉色を導き出します。

「調色」とは、核と真珠層の隙間にごく少量の染料を置いて、真珠の色を揃える行為です。
あこや真珠の成分は「炭酸カルシウム 92.64%、蛋白質 4.49%、水分 0.59%、その他 2.28%」で成り立っています。
そして真珠層のまきは0.3ミクロンから0.7ミクロン程度の炭酸カルシウムの層が数千層、積み重なって出来ています。
このように多層膜の真珠は表面からの調色は難しい為に、通常は真珠に穴を開けてから調色を行ないます。
また真珠層の厚さや炭酸カルシウムの透明度によって色目にかなりのバラツキが生じます。
これらを整えるために調色があるとお考え下さい。

実は同じ条件の真珠であれば、無調色のほうが調色している真珠よりも褪色が早いです。
真珠の綺麗な輝きを長持ちさせるためにもエンハンスメントは必要とお考え下さい。

さて、真珠の加工処理ですがエンハンスメントとは違う加工手法に「トリートメント」処理があります。
エンハンスメントの「調色」に対して、染料を使った「染色」や化学薬品を使用する「着色」を指します。
また、蛍光増白剤を使用して真珠を白く輝かせる技法がありますが、短期間で真珠の艶が無くなる等の事例が有り、耐久性の問題から取り扱わないよう啓蒙しています。
蛍光増白剤の使用はブラックライト(紫外線が蛍光塗料を発色させる)で簡単に見分けがつきます。

エンハンスメントでも過度の処理、例えば高濃度の過酸化水素で漂白したりすると炭酸カルシウムと蛋白質(コンキオリン)で出来ている真珠層の組織を破壊してしまいます。
しかし、適度の加工は何も加工しない場合より、真珠の輝きを何倍も長持ちさせます。
何故なら、真珠は自然界の生物から生まれた宝石ですから微量の不純物が含まれて居ます。
その不純物が時間経過とともに酸化をし、炭酸カルシウムに影響を与えることになるのです。
海から上がった初期の段階で過酸化水素水を使用して、不純物を取り除くという行為は真珠の為に必要と認識しております。

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