トップページ最初にお読み下さい簡単連絡イージーメール発送、決済方法




「天草からのたより」No.3----2000年 6月 13日

ホルマリン問題に対する県の対応(3月8日発表)へのコメント  

「天草の海からホルマリンをなくす会」 事務局長:松本基督

魚類養殖によるホルマリン使用問題で条例化を検討していた県は、本日、水産庁がホルマリンの水産動植物への影響が科学的に十分解明されていないとの見解である事から、条例化の制定は困難であること、代わりに漁業調整委員会指示制度によって罰則を設けてホルマリンの使用禁止を徹底すること、などを発表する旨聞いております。
これに対して次のようなコメントを述べたいと思います。

  1. 数日前のある報道関係者からの情報では、ほぼ条例制定が確実である、との事であったのに、水産庁からの圧力があったのか、条例化が見送られたのは残念である。
  2. とはいえ、ホルマリン使用に対する罰則が設けられたのはある意味では前進ではある。問題は今後どのような監視体制をつくり、どこが主体となってゆき、対策が充分効力を発揮するかどうかである。
  3. 県も水産庁もくり返しホルマリン使用禁止の条例化や法制化は、水産動植物への影響が科学的に十分解明されていないため困難である旨回答しているが、これは実におかしい。
    すでに数年前に発覚して、ずっと続いてきた問題であるにもかかわらず、代替薬品の研究・開発ばかりが先行して、ホルマリンの水産動植物への毒性を水産庁や県の水産部がほとんど調査・研究していない(しても公表しない)のは意図的なものを強く感じざるを得ない。
    私が97年5月に行ったアコヤガイ幼生(100〜125ミクロン程度)に対するホルマリンの影響はわずか0.3PPM(ホルマリンとして)でも、スムースに泳動していたものが滴下後数分で狂ったように痙攣する反応を示したことからもその毒性は明らかである。(顕微鏡ビデオ映像あり) また、「平成9年度アコヤガイ大量へい死原因究明に関する水産庁研究所研究成果報告書」の中でも「薬浴に使用されるホルムアルデヒド含有海水が大規模に環境中に放出された場合、拡散希釈されるまでの間に海水中の珪藻が死滅または増殖抑制を受け、その影響で一定期間、当該環境中の珪藻密度が低下する可能性が示唆される。」との記載がある。
    珪藻類はすべての海産生物の出発点であり、その死滅・増殖阻害は生態系への重大な影響が及ぶ。このような植物・動物プランクト ンなどに対する影響実験は簡単にできるになぜもっと県や水産庁はやろうとしな いのか。
  4. 平成12年2月16日付の「トラフグ養殖におけるホルマリン使用問題について」(県 水産振興課)の報道資料のW「今後の県の取り組み」が示されている。
    それによると、 飼育マニュアル作り、(2)傷がある魚へのマリンサワー薬浴試験の実施、(3)繰 り返し使用する場合のマリンサワー薬浴試験実施、(4)高水温期必要なハダムシ対策は、効能拡大・魚種拡大を医薬品製造メーカーに働きかける、となっている。 今ごろこのような事について取り組むようで果たして水温が上昇してくる梅雨明 けまでにホルマリン一掃とマリンサワーの現場での使いこなしが完全に浸透するのか、大きな不安が残る。
    今後、もし再びホルマリン使用が発覚した場合は、それこそまじめにやっている 養殖業者や熊本県産の水産物全体が極めて大きなイメージダウンを受ける事が予想され、県の実効力ある強い指導が不可欠であろう。
  5. 水産庁はホルマリン使用制限に関する通達をくり返し出しているが、平成9年12月に初めて成魚に対する全面使用禁止の字句を盛り込んだ。
    その中で、関係者への指導徹底には、@漁業権行使規則に規定する、A漁業調整委員会指示制度を活用する、ことが可能である旨述べられている。2年前の平成10年に@を実行したが再び使用が発覚したので、今回はコマを一歩進めてAを適用した、というシナリオはすでに平成9年の通達時点で出来ていたかのように感じられる。
  6. 松島・宮野河内漁協でも在庫が確認された、との新聞報道(2000年2月17日 付)では在庫を産業廃棄物として処分する方針、とあり、ホルマリン在庫が産業廃棄物ならば、当然消毒(薬浴)後の廃液も産業廃棄物として認識されてしかるべきだと思う(とすれば廃棄物処理法違反?)

ホームに戻る
「ひとりごと」の扉へ
 次の日記へ