トップページ最初にお読み下さい簡単連絡イージーメール
発送、決済方法◆ ◆IPPIN!のお店はこちらでですリンクページただいま募集中です




「五味太郎」----2000年 4月 6日

まどか編集長の本棚にごつく厚い本が鎮座してる。
『らくがき絵本』五味太郎の絵本がそれ。
5歳のときの誕生日に貰ってから数年おきに増えてきてる。
簡単に言えば「落書きできる絵本」
破いてもいいよ!クレヨンでも鉛筆でもはさみを入れてもみんな好きなようにやってごらん。 今までに見た事の無い形の絵本だった。
でも心の底で「う〜ん」と唸ってしまった。
「本は大事にしないとまた読むときに困るでしょ」 確かにそうだけど、本棚の本は再び読む事は少ない。再度手に取って読み返す本は1/100にも満たないだろう。
でも、捨てる事が出来ない(^_^;)
う〜ん 折り曲げても破っても落書きしても良い本かぁ
そんなこんなの絵本を作った五味太郎さんのエッセイが文学賞を貰った。

五味太郎。 1945年、東京生まれ。絵本作家。独創的な作風は子どもから大人まで幅広いファンを持ち、海外でも翻訳出版されている。絵本以外にもエッセイ、服飾デザイン、アニメーションビデオ製作など、さまざまな分野で活躍。著書に『春・夏・秋・冬』『バスがきた』『らくがき絵本』など、数多くの絵本のほか、エッセイ『ときどきの少年』、句集『象』などがある。

「きんぎょがにげた」「さる・るるる」など300冊近い絵本を世に出し、数々の賞を受けてきた人気絵本作家であるが、このたび文章での初めての受賞を果した。
以下は新聞社の書評からの抜粋です。

------------引用-------------
受賞作「ときどきの少年」は、昭和20年代後半の東京を舞台にした自伝的エッセーだ。  野球カードほしさに駄菓子屋からキャラメルをボール箱ごとかっぱらった後、急速に冷めたカード熱。テレビが来た日、アンテナは外に出すもんじゃない、と天井につるした父親の「美学」。養護学校に移る友達との別れ際、とっさにズボンから抜いて渡したベルト。そのころの思い、垣間見た大人の世界が丹念につづられている。  絵本はアイデアが次々にわいてきて「描きたくて描く」のに対し、文章は「書いておかなければ」という思いが強いという。  絵本を読んだ中高生から悩みを打ち明ける手紙が来る。子どもの事件が起きるたびにコメントを求められる。  「どうしてかと考えると、戦後に戻っていくんだ。『個』を大事にしよう、民主主義をやろうというのは何だったのか。何も生かされていないんじゃないか。焦りと挫折感がある」  敗戦の年の8月20日生まれ。「戦後はオレから始まったという背負い込み方があるんだよね」。だから、書く。  好きなこと、得意なことだけやってきて、気づいたら絵本作家になっていた。  「おもしろいことがありすぎて、学校行ってる場合じゃなかった」というが、少年時代もその後も、見ることだけはしっかりやってきたと自負している。その視点で「いまの学校や家庭に無理があるんじゃないの」と問題提起を続ける。  続編の高校時代を書いて、と勧められる。でも「補導されたこともあるしさ」と、ちょっと困っている。
---------------------ここまで----------------------------

五味太郎氏は戦後民主主義の「無理」を指摘する。
私の好きな熊野の作家中上健次は 「故郷喪失」をテーマに力強い作品を生み出した。二人共ほぼ同時期に生まれ(戦後)たもの達が持つ土に対する愛着を感じる。
中上は熊野の部落を赤裸々に描く事によって、土地にしがみついて生きる人々の哀愁を描写した。その土地から離れる事,旅に出る事によって解放があるのか?と問いかけながら作品を生みつづけてきたような気がする。(結果戻ってしまうが)
五味の絵本は本棚に置きにくい絵本だ。図書館などである「次の人が気持ちよく読むために,本は大事にしよう」が当てはまらない絵本だ。寝転んで読んだ方が気持ちよく読める絵本だ(^_^;)、そう言えば中上の絵本はどこか隠れて読んだ方が似合う(笑)
絵本にはここに「お母さんの笑顔を書きましょう」とか「ヨットを描いてください」 とかがある。書いちゃったら次の人は書けないよね・・・と思うがつい後を書いてみたくなる(不思議だなぁ)

中上健次、五味太郎、両人とも薀蓄を言い出すと無茶苦茶深いが、肩の力を抜いて気軽に読んでみろって事かな?だって読書後が爽やかだ。

◆ 私が五味太郎◆
http://www.justnet.or.jp/kidsland/cm/gomi/xgomi.htm

ときどきの少年』  リブロポート  1000円
http://www.justnet.or.jp/kidsland/cm/gomi/gs/gs58.htm

ときどきの少年  ブロンズ新社  1600円
http://www.php.co.jp/book/review/ISBN4-89309-166-2.html

今までの出版物
http://www.justnet.ne.jp/kidsland/cm/gomi/gs/list3.htm

 

ちょっとニュース
中上健次(1946―92)が書き残した遺稿ノートの内容が明らかになった。
中上の死後、自宅や仕事場に残されたノートやメモ帳は三十数冊分に及ぶ。これらを「中上健次全集」の編集委員である文芸評論家の渡部直己さんが、著作権継承者で妻の中上かすみさんの許しを得て通読し、抜粋した断章が、6月に太田出版から刊行される「中上健次の熊野」(仮題)に収録される。
公表される遺稿ノートは、78年ごろから92年にかけて書かれた断片。87年には、「故郷喪失が〈テーマ〉である事がはっきりした」という記述があり、文学的テーマを模索し続けた中上の葛藤がうかがえる。未完に終わった長編「異族」の構想メモも見つかった。実際に発表された内容と異なっていることから、作品成立の過程を知る手掛かりとなるとみられる。
何故か最近「小説 都はるみ」を思い出す。久しぶりに桜の木下で読み返してみようか


ホームに戻る
「ひとりごと」の扉へ
 次の日記へ