アーカイブ 10月, 2013

真珠祭

木曜日, 10月 24th, 2013

真珠を育むアコヤ貝に感謝し、美珠の御霊(みたま)に供養する「真珠祭」が10月22日、真珠養殖の中心地・英虞湾に浮かぶ賢島(志摩市阿児町神明)で行われた。

「真珠祭」に新ミス伊勢志摩の3人も揃った
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 例年賢島の小高い丘の上にある円山公園の真珠供養塔前で行われる供養祭だが、今年は雨天のため急きょ会場を賢島宝生苑(同)に移し、10万個(15貫=56キロ)以上の真珠を海に投げる「真珠放生会」も同会場内で行われることになった。

  真珠放生会は、会場に用意した磯桶から磯桶にアコヤ貝と真珠を移す形の簡素なものになったが、例年通り3人のミス伊勢志摩による真珠の放生もあり、アマチュアカメラマンらミス伊勢志摩の番になるとカメラを構えシャッターチャンスを逃さなかった。ミス伊勢志摩の頭には真珠のティアラ、耳には真珠のピアス、首には真珠のネックレスが輝いていた。

 今年で63回目を数える同祭は、全国から真珠関係者(生産者、加工業者、販売業者など)が一堂に集うことから、真珠業界の情報交換の場となっている。日本真珠振興会の大月京一さんは「消費税増税の懸念材料はあるが、経済の回復傾向により真珠の需要も高くなってきている」とあいさつ。

 一方、会場の生産者は「われわれ真珠養殖業者のところまでは、景気による恩恵は今のところ全くない。景気が良くなって真珠が売れ出したとしても、真珠の値段が上がるのは3~5年後。苦労して育てても、それに見合う見返りがないので若い者がどんどん辞めていく」と嘆く。

 神明真珠養殖漁業協同組合の代表理事組合長を務める谷口博俊さんは「真珠の養殖は順調良く、生育している。このまま順調良く育ってくれれば」と期待する。

 志摩市は2012年度から2015年度までの4年間、「志摩市里海創生基本計画」を策定。「自然の恵みの利用と保全との新たなバランスを再生すること」を掲げ、「稼げる、学べる、遊べる、新しい里海のまち・志摩」をキャッチコピーに包括的なまちづくりとして取り組んでいるが、真珠養殖業者の願いが形になるにはもう少し時間が掛かりそうだ。
伊勢志摩経済新聞 2013年10月22日

室内での餅まき行事
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画像:竹内志摩市市議会議員より拝借

蒔絵と真珠

木曜日, 10月 17th, 2013

美しくて繊細。上品で優雅。そして、伝統的なのに新しい。
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淡水パールに「麻の葉」や「菊」などの蒔絵(まきえ)を金粉で施した「MAKIEパール ピアス」。

蒔絵とは、漆器の表面に漆で絵や文様、文字などを描き、それが乾かないうちに金や銀などの金属粉を「蒔く」ことで器面に定着させる技法。

そんな技法を使い、真珠に「麻の葉」「菊」「業平菱」「鱗文様」「花格子」などの文様を京漆器の蒔絵師さんがひとつひとつ丁寧に描きつけている。
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元記事 : 林 美由紀さん
http://www.roomie.jp/2013/10/111507/

真珠で静電気を抑制 西川のあったか寝具

木曜日, 10月 3rd, 2013

 西川産業は、吸湿発熱素材を使った寝具の新シリーズ「ウォームハグ」から、繊維に天然真珠を練り込んだ独自素材を使った布団や膝掛けを発売した。
保温能力を高めたほか、天然真珠が水分を多く含むことに着目し、静電気を起こりにくくすることも狙った。

 真珠入りの独自素材「サーモギア PL」は、体から出た湿気で発熱する。一般のポリエステル素材と比べ最大で3度、温度を高く保つという。
タータンチェック柄で、布団カバーやシーツなど10品を用意した。

 「あったかポータブルケット」は携帯用ポーチに収納できるので、家庭だけでなく車やオフィスで使える。
価格は8400円。ほかに、掛けふとんが1万500円など。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕


東京西川のプレスリリース
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真珠の世界史

水曜日, 10月 2nd, 2013

山田篤美著 採取と養殖をめぐるドラマ

 真珠という言葉は、それが財宝だということを忘れさせてしまうような美しさがある。けれども真珠は、金銀やダイヤモンドと同じように人類の征服欲をかりたててやまない財宝であり、すべての財宝と同じく、血まみれの歴史をもっている。

 本書はこの財宝の歴史にまっこうから取り組んだ労作である。古代から現代まで、日本にはじまって、ヨーロッパ、アメリカ、そして中国と、さまざまな国の真珠採取の歴史がくりひろげられてゆく。

 なかでも印象的なのは、15世紀の大航海時代、コロンブスが「発見」した南米ベネズエラの真珠である。はじめは原住民が所持する真珠を収奪していたが、それが底をつくと、カリブ海の無人島を拠点にして真珠を採取するようになった。といってもスペイン人みずからが海に潜るのではなく、近くのバハマ諸島でとらえた先住民を強制連行して海に潜らせるのである。日の出から日没まで潜水労働に酷使された原住民は次々と息絶えていった。こうして「バハマ諸島は、新世界で最初の住民絶滅の地となったのである」。

 まことに真珠は血であがなわれた財宝なのだ。すでに紀元1世紀の博物学者プリニウスが、「それを獲得するには人命をも賭けねばならないような贅沢(ぜいたく)によってもっとも多くの満足がえられる」ため、「貴重品の中でも第一の地位、最高の位が真珠によって保持されている」と述べている。真珠は帝国主義の賜物(たまもの)なのである。

 この血ぬられた宝石の歴史に一つのピリオドを打ったのが、20世紀初頭の日本の養殖真珠であった。御木本幸吉が志摩の英虞湾で始めた養殖をもとに、見瀬辰平や西川藤吉たちの別の試みなど、真珠養殖をめぐる熾烈(しれつ)な競争のドラマも読みどころの一つである。

 養殖真珠の出現は世界の真珠市場を混乱に陥れたが、時とともに受け入れられて、日本はいっとき真珠王国の繁栄を誇る。1990年代に入ると、オーストラリアや中国にも独自の養殖真珠が現れ、さらには世界各地の南の海からカラフルな天然真珠が登場してきて、真珠はグローバル化時代に入ってゆく。

 目配りのよい財宝の世界史である。

(仏文学者 山田登世子)    日本経済新聞朝刊2013年9月29日

(中公新書・940円 ※書籍の価格は税抜きで表記しています)
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