アーカイブ 6月, 2011

世界初、真珠形成の遺伝子特定

月曜日, 6月 27th, 2011

【東京】
東京大とミキモトの共同研究チームは、日本産アコヤガイが真珠層を形成する際に働くほぼすべての遺伝子の特定に成功したと発表した。世界で初めてという。日本固有のアコヤガイは美しい光沢が特徴で、世界で最も優れた品質を持つことで知られている。しかし近年は感染症の流行や漁場環境の変化などで生産は減少傾向となっていた。ミキモトなどは今回の成果が、日本産アコヤガイ特有の美しさを解明する手掛かりになるとともに、優良な真珠母貝の品質保持や、耐病性の向上などにつながると期待している。

 米科学雑誌「プロスワン」に二十三日(日本時間)、研究成果の論文が掲載された。

 アコヤガイの真珠は、炭酸カルシウムのアラゴナイト結晶と呼ばれる結晶が規則正しく幾層にも重なって作り出されるが、これまで真珠層形成時に働く遺伝子はほとんど解明されていなかった。
 今回、東京大大学院農学生命科学研究科の渡部終五教授らの研究チームとミキモトグループが共同研究チームを組み、ミキモトが守り続けてきた日本固有のアコヤガイを対象に、〇七年から真珠形成の遺伝子を追求してきた。

 遺伝子解析は、遺伝情報がまったくない生物でも網羅的な解析が可能な「次世代シーケンサ」と呼ばれるシステムを用いて実施。その結果、これまで判明していた三百個のアコヤガイ遺伝子の約百倍の三万個の遺伝子を特定し、真珠形成で働くほぼすべての遺伝子情報を取得することができたという。このうち、真珠層形成に関連した五十二個の遺伝子を新たに発見した。
 会見した渡部教授は、五十二個の新たな真珠形成関連遺伝子の発見などを「画期的な成果だ」と話し、「アコヤガイの病気の問題などもクリアし、世界をリードする技術になる」と強調。ほかに化粧品への利用や、将来的には骨形成に関連する病気の治療、新機能材料の開発などへの応用も期待されるという。
 ミキモト真珠研究所の永井清仁所長は「日本産アコヤガイの光沢の美しさは別格」と話し、「今回の成果を、美しく病気にも強い品種づくりに生かしていきたい」とした。


「次世代シーケンサ」(次世代シークエンサー)とは、Sanger シーケンシング法を利用した蛍光キャピラリーシーケンサーである「第1世代シーケンサー」と対比させて使われている用語です。初期の頃は塩基配列決定の為の試薬や測定器が非常に高額で大学でも予算をつけるために大変苦労をしました。現在のシーケンサーは、光検出を行わないので、試薬代が安価になり、かつ光検出器が必要なくなりました。ここ5年ほどで価格は1/10以下になり、驚くほど高速で結果が出るようになりましたね。

東京大学大学院農学生命科学研究科 水圏生物科学専攻
 http://www.fs.a.u-tokyo.ac.jp/
水圏生物科学専攻 水産化学研究室 研究業績
 http://mbl.fs.a.u-tokyo.ac.jp/jp/paper.html

今回の、東京大学農学生命科学研究科のプレスリリース
 http://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/2011/20110624-1.html
 http://megalodon.jp/2011-0627-1839-26/www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/2011/20110624-1.html

東京大学大学院農学生命科学研究科での発表
アコヤガイの遺伝子情報について説明する渡部教授:東京大学大学院農学部


「真珠を育む海を知ろう」ミキモト

木曜日, 6月 9th, 2011

真珠の核入れや磯の生物採集体験を通じて海の魅力を学ぼう!

「真珠を育む海を知ろう」体験観察会 参加小学生15名募集!(株式会社ミキモト)

【日時】
応募締切:2011年7月1日(金) ※必着
開催日時:2011年7月30日(土) 9:10~15:30(終了予定)
※荒天時は磯での生物採集は中止(屋内での観察会のみ実施)
【対象】
小学校4年生~6年生
【定員】
15名(保護者同伴必須)※応募者多数の場合は抽選。
【場所】
東京大学三崎臨海実験所(神奈川県三浦市三崎町小網代1024)
【アクセス】
・京浜急行「三崎口」駅下車、京浜急行バスで「油壺」 (約15分)
【料金】
参加費:無料 ※現地までの交通費等は参加者負担
【問い合わせ】
Tel:03-5550-5678(ミキモト カスタマーズ・サービスセンター)

株式会社ミキモトでは、東京大学大学院理学系研究科附属臨海実験所(以下、東京大学三崎臨海実験所)と共同で、小学生を対象に相模湾に生息するアコヤ貝を使った核入れや、磯での生物採集などを行う体験観察会を7月30日(土)に東京大学三崎臨海実験所で開催。体験観察会の参加小学生15名を募集します。

この体験観察会では、真珠ができるしくみをはじめ、養殖真珠をつくるためのもっとも重要な過程である「核入れ」の体験や、磯の生物の採集・観察を通じて、美しい真珠を育む海やそこに生息する多様な生物、さらには津波など海に関する基礎知識を学ぶことのできる大変貴重な機会です。昨年、初めて開催した観察会には、東京、神奈川を中心に20名の子どもたちが参加し、磯での生物採集や、普段は体験できない真珠の核入れに熱心に取り組んでいました。

開催場所の東京大学三崎臨海実験所(神奈川県三浦市)は、1886年(明治19年)に日本初の臨海実験所として設立され、以後、近代日本の動物学研究の拠点となりました。ミキモトの創業者 御木本幸吉は実験所の初代所長を勤めた箕作佳吉(みつくりかきち)博士とともにこの実験所で養殖真珠の共同研究を行った記録も残っており、養殖真珠の基礎研究においてゆかりの深い場所です。

今回の体験観察会では、東京大学三崎臨海実験所所長である赤坂甲治(あかさかこうじ)教授(理学系研究科)やミキモト真珠研究所所長の永井清仁(ながいきよひと)らが、参加する小学生たちに磯の生物の説明や真珠の核入れ体験の指導を行います。

この歴史的な場所で、未来を担う子ども達が海に対する正しい知識や関心を高めることで、海に親しみ、将来海洋生物や真珠の研究者を目指すきっかけとなることを願っています。

ミキモトでは、海洋生物の多様性を守り、美しい真珠を育む海と人との共存を目指す企業として、今後も研究発表や体験観察会などを通じ、多くの人々に海と真珠の魅力を伝えてまいります。


【募集要項】
(1)参加希望者(小学生)の氏名
(2)年齢
(3)性別
(4)保護者の氏名
(5)郵便番号
(6)住所
(7)電話番号
をご記入のうえ、下記宛先にメールまたは郵便はがきでご応募ください。

■メールによる応募:kansatsu@mikimoto.com
※件名を「体験観察会参加希望」にてご応募ください。
■郵便はがきによる応募
〒104-8145
東京都中央区築地1-8-9
株式会社ミキモト 広報宣伝課「体験観察会」(キッズイベント)係

※2011年7月1日(金)必着
※発表方法は、締め切り後、参加者へ直接ミキモトからご連絡します。


東京大学大学院理学系研究科付属三崎臨海実験所

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愛媛大学南予水産研究センターの夢実験

水曜日, 6月 8th, 2011

あこや貝を母貝にして「黒蝶真珠」「マベ真珠」のピースを用い、「あこや黒真珠」や「あこやマベ真円真珠」の実証実験に成功したと愛媛大学が発表した。
黒蝶黒真珠 

東京新聞より引用 

 アコヤガイに別の貝の細胞片を移植し、一般的なアコヤ真珠より単価の高い黒真珠や球状のマベ真珠を養殖することに、愛媛大学南予水産研究センター(愛媛県愛南町)が成功した。同センターによると世界初の技術。
 三浦猛教授(48)は「応用すれば新種の真珠をつくることも可能。価格低迷が続く真珠養殖に活路を見いだすことができる」と話している。
 三浦教授によると、タヒチが主生産地のクロチョウガイからできる黒真珠は、アコヤ真珠の3倍ほどの値段がする。一方、カンボジアなどに生息するマベガイは、通常は半球の真珠しかつくれず、アコヤガイへの移植でできた球状のマベ真珠は希少価値が高いという。
 アコヤガイは、中に真珠の中心となる核と真珠層を分泌する細胞片を入れると、真珠層が核を球状に包んで真珠ができる。
 別種の細胞片を入れると免疫機能が働き拒絶反応を起こすが、事前に細胞を加工した液体を注射して反応を抑えることで、異種間で真珠を形成させることに成功した。
 愛媛県によると、県は養殖真珠の生産額が全国1位。県水産課は「クロチョウもマベも、ここ数年の温暖化で県南部の海でも自然増殖し始めた。海水温の上昇に対応した養殖技術の開発に活用できる」と期待を寄せる。
(共同)


愛媛大学 農学部 三浦猛教授の論文一覧
http://megalodon.jp/2011-0608-0920-10/www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011060601000015.html